EDI ソフトウェアの基本
大規模な小売業者、製造業者、または販売業者との取引を検討していますか？もしそうであれば、必然的にパートナーから電子データ交換（EDI）を設定するように要求されるでしょう。このプロセスではEDI ソリューションを選択する必要があり、これには、EDI ソフトウェアが含まれるでしょう。
基本から始めましょう。EDI とは
EDI は、ビジネスパートナーとの、セキュアで標準化された接続を介した、コンピュータ間での標準電子ビジネスドキュメント交換です。EDI は、パートナーがトランザクションを高速化し、B2B 通信を自動化することで手動エラーを排除し、コストを削減するのに役立ちます。
この記事では、EDI ソフトウェアのクラッシュコースと、EDI ソリューションを選択する際に留意すべきいくつかの事項について説明します。
EDI ソフトウェアとは
EDI ソフトウェアおよびEDI ソリューションは、EDI フォーマットへのドキュメントの標準化、ドキュメントの送受信、EDI とバックエンドシステムおよびプロセスの直接統合など、EDI のすべての主要機能を処理するために特別に構築されたツールです。
EDI マッピングと変換
EDI マッピングと変換は密接に関連しています。
EDI マッピングは、標準のEDI ドキュメントをフラットファイル、XML、CSV などの他のフォーマットにマッピングするプロセスです。EDI マッピングは、受信したEDI メッセージを、ERP、ロジスティクスシステム、CRM などのIT システムで使用できるファイルに変換するために使用されます。
EDI 変換は、非EDI ビジネスファイルを標準のEDI ドキュメントに変換する場合（たとえば、NetSuite やERP の発注書を、EDI ドキュメントセグメントとデータ要素を含む標準のEDI X12 またはEDIFACT フォーマットのドキュメントに変換する場合）とは逆の処理を行います。
EDI ソフトウェアを使用すると、マッピングと変換の両方のプロセスを自動化できます。
ファイル転送 - MFT
ファイル転送ソリューションは、取引パートナーとの間でEDI ドキュメントを送受信するために使用されるメカニズムです。EDI の場合は、AS2 やSFTP などのセキュアなプロトコルを介した転送を可能にするソリューションが必要です。
従来の多くの組織は、設定された組織プロトコルを介してのみファイルを共有しており、複数のパートナーと直接接続するために複数のプロトコルを介してファイル転送を設定することは非常に困難でした。
多くの組織は、複数のプロトコルを介してファイルを送信できる中間の付加価値通信網（VAN）に目を向けました。
現在のEDI ソフトウェアでは、複数のパートナーと直接接続することが非常に容易になっています。具体的には、マネージドファイル転送（MFT）機能を組み込んだEDI ソリューションは、このプロセスを簡素化し、セキュアなファイル転送を保証し、否認防止（受信者が実際にEDI ファイルを取得したことを示す法的に有効な確認）を保証する機能を備えています。
バックエンド統合
多くの組織にとって、データベース、CRM、ERP などのバックエンドシステムとEDI ワークフローを接続することは、EDI の最も困難でコストのかかる分野ですが、最も価値のある分野でもあります。
多くの組織にとって理想的なEDI 設定には、EDI を既存のビジネスプロセスに直接リンクする自動化されたワークフローが含まれます。
バックエンド統合では、特定のシステムとの間でEDI ファイルをマッピングおよび変換し、ポートおよびAPI を使用してEDI をそれらのシステムに統合します。これは、従来のEDI システムでは不十分な領域です。これらの従来のシステムの問題は、最新のAPI ファーストアーキテクチャを使用するEDI ソフトウェアソリューションを検討する理由です。
EDI の種類
これらのEDI 機能は、さまざまな製品で使用することができます。これらは以下を含みます。
VAN & Web EDI vs. ダイレクトEDI
EDI VAN（付加価値通信網）は、ビジネスパートナーとEDI ドキュメントを交換できるようにする安全な外部ネットワークです。VAN は、EDI ソフトウェアではなく、EDI-as-a-Service のプロバイダーと考えることができます。
EDI 統合の最大の課題は、マッピングと変換です。すべてではありませんが、多くのVAN ソリューションでマッピングを処理できるため、EDI の専門スタッフは必要ありません。通常VAN を使う場合は、Web ポータルを介して接続し、手動でデータをWeb フォームに入力すると、VAN が面倒な作業を処理します。これらのWeb EDI ポータルは、バックエンドシステムに直接リンクしていないため、手動で継続的に作業する必要があります。
また、VAN を使用すると、次のような大きなコストがかかります。
- ネットワークにアクセスするための固定費
- 各ドキュメントの転送料金
- 特定のファイルサイズを超える場合のコスト - 例：大規模な製品カタログや発注書を転送する場合
- 切り替えコスト - 多くの場合、VAN からの離脱には多大な時間とコストがかかります。
一定のEDI トランザクション量に達すると、必然的にEDI ソフトウェアソリューションに切り替える必要が出てきます。多くの企業では、コストを削減し、手動でのデータ入力によるエラーを減らすために、EDI ソリューションへの切り替えが必要になる時期がすぐに訪れます。たとえば、Walmart に製品を提供する場合、最初はWeb ポータルを使用し手動で巨大小売業者と通信することができますが、販売量が増えるとそれを維持できなくなり、EDI ソリューションの使用を余儀なくされます。
EDI ソフトウェアを使用する場合、EDI マッピングを設定する必要がありますが、EDI の知識は詳細かつ具体的であるため、設定が難しい場合があります。したがって多くの組織では、EDI マッピングの専門知識を持つEDI スペシャリストを採用したり、コンサルタントと協力してEDI 統合を設定したりしています。
それでも、初期の統合には時間がかかり、難しい場合もありますが、適切なツールを使用すれば、プロセスを大幅に簡素化できます。また、初期の作業の多くを新しいフローに再利用できるため、その後の統合がはるかに簡単になります。
単一用途 vs. 統合ソリューション
単一用途のソリューションでは、マッピングと変換、ファイル転送、バックエンド統合など、EDI プロセスのいくつかの側面を処理できます。統合されたエンドツーエンドのソリューションは、3つすべてを処理し、1つのパッケージで開始するのに必要なすべてのものを提供します。
統合ソリューションは、メンテナンス作業とエラーを削減しながら、コストと時間を節約します。 ただし、多くの組織と同様に、すでに特定のEDI ソリューションに接続している場合は、AS2 転送など、EDI の特定の側面をより効率的に処理するソフトウェアを使用してセットアップを補完すると便利なことがあります。
統合に特化した統合ソフトウェア
一部のソリューションでは、Microsoft Dynamics 365 など、特定のソフトウェアソリューションに高度な統合機能を提供しています。ワークフローが特定のツールに大きく依存している場合は、最初にバックエンドシステムに焦点を当て、その後にEDI に焦点を当てたソリューションを検討してください。しかし、大多数のビジネスユーザーは、Dynamics のようなシステムや、より広範なテクノロジーエコシステムに接続するEDI ツールで十分に対応できます。
業界固有のプラットフォーム
EDI の要素を組み込んだヘルスケア統合ソリューションなど、特定の業界向けに設計された専用の統合プラットフォームがあります。これらのタイプのプラットフォームでの作業は、多くの場合、バランスをとる行為です。
ほとんどの企業は、さまざまな標準とワークフローをサポートする必要があり、多くのユースケースをカバーする柔軟性を備えたより広範なEDI ソリューションを必要としています。通常、より広範なEDI ソリューションは、特殊なケースを除いてほとんどの EDI 接続要件に対する信頼性の高い回答を提供します。
専門業界の多くの組織では、主要な統合EDI ソリューションを選択し、業界固有の専用プラットフォームで補完するという選択肢が一般的です。
最新のEDI が持つ機能とは
EDI テクノロジーは50 年以上前から存在しており、多くのツールが何十年にもわたって市場で停滞しています。
一部のソリューションでは、従来の複雑なユーザーインターフェースや旧式のアプローチを提供し続けていますが、最新のEDI ソリューションでは、優れたテクノロジーを活用することで、近年飛躍的な進化を遂げています。ここでは、最新のEDI と従来のソリューションの違いをいくつかご紹介します。
API ベースのアーキテクチャとマイクロサービス
API を使用したソリューションにより、コードを記述することなく、統合ワークフローをトリガーしてデータにアクセスし、データを公開するマイクロサービスを構築できます。これらのソリューションは、マイクロサービスによってトリガーされるワークフローを通じて、ユーザーが開発、テスト、およびメンテナンスが容易なインフラストラクチャを構築できるようにします。
エンドツーエンドのソリューション
従来は、ドキュメントのX12、EDIFACT、TRADACOMS へのマッピング、AS2 またはSFTP 経由のファイル転送、バックエンド統合など、個々のタスクには個別のソリューションが必要でした。これで、これらすべてのプロセスを処理する単一のソリューションを入手できるため、エンドツーエンドのEDI ワークフローの構築が容易になります。
コンテナ化
コンテナ化とは、独自のオペレーティングシステムを備えたコンテナ内でアプリケーションをカプセル化する、軽量なバーチャライゼーションです。この新しいテクノロジーにより、新しいテスト環境やQA プロセスを容易にスピンアップしたり、データ量の変化に応じて動的にスケールアップ／スケールダウンしたりできます。
コネクタ
幅広いデータコネクタを提供するソリューションにより、多くのシステムを簡単に接続し、テクノロジーを簡単に切り替えることができます。最新のEDI ソフトウェアソリューションは、組み込みのコネクタを介して、さまざまなバックエンドシステムとのシームレスな統合を容易にします。
EDI 導入の選択肢
ソフトウェアアプリケーションに対してオンプレミス、クラウド、およびインフラストラクチャ／サービスとしてのプラットフォーム（iPaas）オプションを選択できるのと同様に、EDI ソリューションにもこれらと同じオプションがあります。
クラウド
クラウドベースのEDI は、他のクラウドソリューションのすべてのメリットを提供します。これはサブスクリプションベースです。ハードウェア、ソフトウェアライセンス、またはメンテナンス契約を購入する必要はありません。インストール、構成、システム管理、およびアップグレードのためのIT リソースが含まれています。クラウドソリューションは拡張性に優れており、セキュリティは、小規模な企業が提供できるよりも包括的なものになります。しかし、一部の組織は、プライバシーの懸念からクラウドの実装を避けています。
オンプレミス
通常、オンプレミスのソリューションは、すべてのハードウェア、ソフトウェア、メンテナンス、アップグレード、IT リソースなどを購入して管理する必要があるため、より多くの資本を必要とします。一方、これらのソリューションでは、制御性と（潜在的な）データプライバシーが向上します。
IaaS/PaaS/iPaaS
組織がAWS またはAzure 上でIT スタックの一部を実行しており、AWS またはAzure サービスを利用している場合は、EDI を実行してそれらのプラットフォームで実行するソフトウェアと統合することもできます。
ハイブリッド
実際、多くの組織がハイブリッド展開モデルを使用しており、特定のプラットフォームに限定されないソリューションが理想的です。クロスプラットフォーム展開をサポートする柔軟なEDI ソフトウェアソリューションが最適です。
EDI コスト
ほとんどの組織で、EDI ソリューションの選択はリスクと効率に左右されます。EDI は重要な機能であるため、機能し、サポートされている必要があります。効率的なEDI 設定（重要なパートナーとのビジネスが可能）の価値は、通常、そのコストをはるかに上回ります。とはいえ、コストは常に考慮すべきものであり、覚えておくべき重要な要素がいくつかあります。
透過性
優れたEDI ソリューションの多くは価格を記載していないため、回答が難しいことが多いです。代わりに、これらのソリューションは、ユースケース、組織の規模、または地理的な場所に基づいて価格が設定される場合があります。
私たちのアドバイスは、これらのソリューションを無視することです。
価格は、ソリューションプロバイダーのWeb サイトに透過的に掲載する必要があります。現在、価格を透過的に表示するにはあまりにも多くの品質オプションが存在するため、価格設定を進めることができていません。
設定コスト
所有しているEDI ソフトウェアソリューションを選択すると、セットアップコストが発生します。ほとんどのツールでは、マッピングを適切に配置し、ワークフローを稼働させるのに時間がかかります。他の選択肢としては、コンサルタントを雇うか、VAN を選択する方法がありますが、VAN は多額の料金が発生します。依存度が高くなるほど、支払う料金も高くなります。Amazon、Walmart、Target などのパートナーと通信しており、VAN が以前にその接続を作成したことがある場合、プロセスはかなり安価になる可能性があります。ただし、VAN が連携していないパートナーとの接続を確立する場合は、コストが大幅に増加します。
トランザクションコスト
ほとんどのVAN／マネージドサービスは、トランザクション単位で課金されます。トランザクションを受け取った場合は、発注の明細品目数に基づいて請求書が作成されます。そのため、最初はコストが低いかもしれませんが、パートナーやトランザクションを追加するとすぐに、VAN のコストが高くなる可能性があります。対照的に、EDI ソリューションを購入すると、ツールがセットアップされ、パートナーに接続されます。トランザクションごとに課金されることはないため、継続的なコストはVAN／マネージドサービスよりもはるかに低くなります。
詳細については、EDI のコストに関する記事を参照してください。
CData Arc：統合EDI ソリューション
エンドツーエンドのソリューションを選択する場合は、CData Arc を検討してください。
CData Arc は、変換、転送、マッピング、およびデータ統合のすべてを実行します。主要なEDI 標準およびプロトコルをすべてサポートしており、80以上の一般的なアプリケーション、データベースおよびSaaS プラットフォームをEDI プロセスに接続できます。多くのEDI ソフトウェアとは異なり、CData Arc は、セルフサービス、ビジュアル、ドラッグアンドドロップインターフェースを使用してEDI を簡素化する最新のソリューションであるため、EDI を迅速かつ低コストで簡単にシステムに接続することができます。